およそ800~1000万年前のサンゴや藻類などの植物性プランクトンの殻の化石が泥粒子とともに沈殿し、有機物が分解され、海底
や湖底に蓄積された堆積物(堆積岩)です。二酸化ケイ素(SiO₂)を主な成分とし、平均粒径が0.05mmの土に直径2~50ナノメート
ルの細孔を無数に持ちガラス製の殻をもつことが特徴です。日本各地で採掘され、産地は約80ヶ所前後あります。有名なところでは
北海道・秋田・石川・島根・岡山・大分などがあり、産地によって細孔の大きさに違いがあります。
・食べられる土=熊本城の内壁材に使用されて、籠城(ろうじょう)に備えたり、和島漆器の下塗材として江戸時代より伝統的に
用いられ現在はビールやお酒のろ過材として使用されたりしています。アイヌ民族は「チ・エ・トイ」(我ら食べる土)と呼び、
汁物のトロミ付けに使ったり山菜を和えて食べました。
・耐火性能=七輪、コンロ、耐火断熱レンガの原料として使用されています。
・多数の超微細孔による機能=「呼吸性(調湿性)」という細孔の機能による自律的な吸放出を半永久的に行い、壁材料に使うこと
により、この調湿作用は夏場の暑く湿気が多い場合は湿気を吸収し、冬場の湿気が少なく乾燥している場合は湿気を放出し湿度を調
整するため、結露やカビの予防に効果を発揮し消臭効果もあります。また、ホルムアルデヒドなども吸着するのでシックハウス症候
群を抑える効果があり、保温・断熱性、吸音性などに優れ、部屋の空気を快適に保つ人に優しい素材として健康住宅人気とともに注
目されています。また、廃棄の際は自然の土に還るため、自然環境への負荷が少ない建材ともいえます。
・製品として=優れた吸放出性を利用してバスマットや調味料の吸湿剤などがあります。